【10月29日 AFP】米国を目指して中米から7000人規模の移民集団(キャラバン)が北上を続けている問題で、これに合流しようとするホンジュラス人1500人余りが28日、メキシコ・グアテマラ国境の警察の規制線を突破してメキシコ入国を試みる騒ぎがあった。一方、エルサルバドルでは同日、新たに約300人がキャラバンを組織し、米国へ向けて歩き出している。

 警察と人権団体によるとグアテマラの町テクンウマン(Tecun Uman)では、グアテマラ警察の規制線を人数で勝るホンジュラス移民らが突破し、対メキシコ国境の川に架かる橋に殺到した。

 しかし、移民らはメキシコ側のシウダイダルゴ(Ciudad Hidalgo)に到達する手前で新設された金属製の柵に阻まれ、警察が催涙ガスを発射してグアテマラ側に押し戻した。

 一方、グアテマラ南方の隣国エルサルバドルでは、首都サンサルバドルで300人余りが新たな移民集団を結成。命の危険を冒すなと諭すエルサルバドル政府の警告を無視し、「アメリカンドリーム」を胸にグアテマラへ向けて歩き始めた。大多数が男性で構成されたこの「新キャラバン」は、2週間前にホンジュラスを出発し現在はメキシコ国内を北上中のキャラバンに触発されたものだ。

 貧困とギャングの暴力から逃れようと母国を脱出したホンジュラス移民を中心としたキャラバンは、国連(UN)の推定によると約7000人に規模が膨れあがっている。

 ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は、キャラバンの米入国を阻止するため軍の投入を警告。ジェームズ・マティス(James Mattis)国防長官が26日、メキシコ国境への米軍部隊の派遣を承認した。だが、移民たちは怯む様子もなく米国へと歩き続けている。(c)AFP