米ユダヤ教礼拝所銃乱射の実行犯、「大量虐殺」もくろんだ恐れも
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【10月29日 AFP】米東部ペンシルベニア州ピッツバーグ(Pittsburgh)にあるシナゴーグ(ユダヤ教礼拝所)で起きた銃乱射事件で、当局は28日、実行犯のロバート・バウアーズ(Robert Bowers)容疑者(46)が「ジェノサイド(大量虐殺)やユダヤ人の殺害願望」を口にしていたことを明らかにした。当局は犠牲者らの身元確認を終え、生存者らの心のケアを始めている。
連邦当局によると、警察との銃撃戦の末に現場で拘束されたバウアーズ容疑者は29件の罪に問われる見通しで、罪状の一部については死刑が求刑される可能性もある。29日に出廷する予定。
多数のユダヤ教徒が住む地区にある150年の歴史を持つシナゴーグ「ツリー・オブ・ライフ(Tree of Life)」で起きた今回の事件について市民権団体は、米史上最悪の反ユダヤ主義攻撃になったと指摘している。
今回の事件は米国のユダヤ人社会を震撼(しんかん)させ、嫌悪感と不安感をもたらした。またユダヤ教指導者らは、反ユダヤ主義的行為がここ2年間で急増していると、懸念を表明している。
反ユダヤ主義の監視団体「名誉毀損(きそん)防止同盟(Anti-Defamation League)」のジョナサン・グリーンブラット(Jonathan Greenblatt)代表は28日、メンバーらは銃乱射事件に「衝撃を受けている」とはいえ、「遺憾ながら、ある意味驚いてはいない」と語った。
グリーンブラット氏は米ABCに対し、ユダヤ人社会に対する嫌がらせや破壊行為、暴力などが、2016年に34%、昨年は57%それぞれ増加しており、「われわれが目にしてきた中では最も急激な増加を見た」と明かしている。(c)AFP/Jennie MATTHEW