米ユダヤ教礼拝所銃乱射の容疑者、SNSでトランプ氏にも言及か
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【10月28日 AFP】米東部ペンシルベニア州ピッツバーグ(Pittsburgh)にあるシナゴーグ(ユダヤ教礼拝所)で27日に発生した銃乱射事件で、実行犯と特定されたロバート・バウアーズ(Robert Bowers)容疑者は犯行時、「ユダヤ人はすべて死ななければならない」と叫んでいたと報じられている。また、事件前にはソーシャルメディア(SNS)に反ユダヤ主義的な書き込みをしていた一方、ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領には興味がないという内容の投稿もしていたという。
事件では11人が死亡、6人が負傷。バウアーズ容疑者は死刑が求刑される罪で起訴されるものとみられている。
バウアーズ容疑者は現在46歳と報じられており、逮捕歴はないとみられ、米連邦捜査局(FBI)によるとこれまで捜査対象となったこともない。また米CNNは捜査当局関係者の話として、容疑者が銃所持許可証を所持しており、1996年以降少なくとも6回銃器を購入したと報じている。
さらに同容疑者はここ最近、「Gab.com」をはじめとする白人至上主義者やいわゆるオルト・ライト(オルタナ右翼)の支持者が利用するSNSサイトに過激な反ユダヤ主義的内容の書き込みを大量にしていたものとみられている。
過激主義的な動向を監視する米テロ組織監視団体「SITEインテリジェンス・グループ(SITE Intelligence Group)」によると、バウアーズ容疑者は自身のアカウントに「ユダヤ人は悪魔の子孫だ」などと書き込んでいた。
また、犯行の数時間前にもユダヤ人移民を支援する米民間組織「ヘブライ移民支援協会( Hebrew Immigrant Aid Society)」を名指しし、「ヘブライ移民支援協会はわれわれを殺害する侵略者たちを喜んで連れて来ている。仲間が殺されるのをただ黙って見ているわけにはいかない。自分がやってやる」と投稿していた。
一方で米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)によると、バウアーズ容疑者はドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領について「グローバリスト(世界主義者)で、ナショナリスト(国家主義者)ではない」から興味がないとも投稿していた。
またトランプ氏が掲げるスローガン「Make America Great Again(アメリカを再び偉大に)」についても、ユダヤ人が「はびこる」かぎり米国が偉大になることはない、などと主張していたという。
事件を受けてGab.comは声明を発表し、ピッツバーグでの銃乱射事件に「悲しみと嫌悪感を覚える」と表明し、暴力やテロリズムには「ゼロ・トレランス(不寛容)」の姿勢を取っていると強調した。(c)AFP