【10月28日 AFP】非常に強い勢力の台風26号(アジア名:イートゥー、Yutu)が直撃した西太平洋の米自治領北マリアナ諸島(Northern Mariana Islands)で27日、緊急の支援物資を積んだ米軍機が到着した。北マリアナ諸島では建物の損壊や停電といった被害が出ており、ラルフ・トレス(Ralph Torres)知事はドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領が「大規模災害宣言」の発令要請を承認したと明らかにした。

 最大瞬間風速およそ80.5メートルの勢力で北マリアナ諸島に上陸したイートゥーは広い範囲に大規模な被害をもたらし、これまでに1人が死亡した。また、強風で飛ばされたがれきなどにより少なくとも130人が負傷し、病院で手当てを受けるなどした。

 首都があるサイパン(Saipan)島の国際空港では、軍用機用のスペースを確保するため民間機の発着が停止され、1000人以上が足止めされた。

 中国国営新華社(Xinhua)通信は在ロサンゼルス領事館の情報として、中国人観光客およそ1500人が28日にサイパンをたつと報道。また韓国の聯合(Yonhap)ニュースによると、韓国人観光客21人がサイパンからグアム(Guam)に航空機で移送され、27日に帰国した。

 北マリアナ諸島の住民5万5000人の大半が住んでいるサイパン島は、隣のテニアン(Tinian)島と共にほぼ全域が停電に見舞われた。テニアン島のジョーイ・サン・ニコラス(Joey San Nicolas)市長は支援物資がすぐにでも必要だと語るとともに、被災から2日経過した現時点でも被害の全容を把握できていないと述べた。

 略奪発生の報告がある一方、開店にこぎつけた商店では飲料水や食料が短時間で売り切れた。(c)AFP