【10月26日 AFP】安倍晋三(Shinzo Abe)首相の中国公式訪問に際し、両国企業は合わせて約3000億円規模の商取引を成立させ、日中関係の改善を強調した。

 ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は、安倍首相や習近平(Xi Jinping)国家主席との個人的な親密さをアピールする一方で、米国の貿易赤字削減を目的に、中国には大規模な関税を発動、また日本からの輸出品にも目を向けつつある。このような背景がある中、日中関係の緊張には急速な緩和が認められる。

 李克強(Li Keqiang)首相によると、今回の安倍首相の訪中には1000人近い日本企業関係者が同行し、総額約3000億円に上る500の商談が成立したという。ただ、これ以上の詳細には触れていない。

 日本企業が巨大な中国市場への参入強化を熱望する一方で、中国政府は日本の技術や企業ノウハウに関心を寄せている。

 中国国営英字紙・環球時報(Global Times)は論説で、「米国は中日関係に相当の影響を与える要因であるとはいえ、その影響は限定的だ」という見方を示し、「中日両政府が米国の態度をうかがいながら今後の両国関係の方向性を決めていくつもりだとしたら、両国は道に迷うだけだろう」と指摘した。

 日中両首相はさらに、通貨スワップ取引や、領有権で対立する東シナ海(East China Sea)で頻発する自衛隊と中国海軍の偶発的な衝突回避の仕組みといった、複数の政治協定の締結にも立ち会った。(c)AFP/Ben Dooley