【10月25日 AFP】フランス・パリの競売会社アールキュリアル(Artcurial)で24日、英国の覆面ストリートアーティスト、バンクシー(Banksy)の作品数点がオークションにかけられたが、落札直後に作品が自動的に裁断されるようなハプニングは起きなかった。

 今月初旬に英ロンドンの競売大手サザビーズ(Sotheby's)で開かれたオークションでは、バンクシーの代表作の一つ「少女と風船(Girl with Balloon)」が、バンクシー作品として過去最高額に並ぶ104万2000ポンド(約1億5000万円)で落札された直後に額縁に仕掛けられていたシュレッダーで細断され、人々を驚かせた。

 この大胆なパフォーマンスについてバンクシーは後日、計画ではすべてが細断されるはずで「いたずら」は半分しか成功しなかったと明かしている。

 サザビーズの競売会場にバンクシー本人がいて仕掛けを作動させたのではないかとの憶測があることから、アールキュリアルでは出席者の身元確認を行うなど厳重な監視体制で当日に臨むと示唆していた。だが、今回は何事も起きなかった。

 警察の検問と監視を非難するシルクスクリーン作品「Stop and Search(ストップ・アンド・サーチ)」は、予想落札額のほぼ2倍の6万5000ユーロ(約830万円、手数料込み)で落札された。予想価格は3万~3万5000ユーロ(約380万~450万円)だった。

 一方、アンディ・ウォーホル(Andy Warhol)の代表作を連想させるスープの缶詰がモチーフのシルクスクリーン作品「Soup Can (Yellow/Emerald/Brown)」は、これも予想落札額の1万5000~2万ユーロ(約190万~260万円)を大きく上回り、4万6800ユーロ(約600万円)で落札された。

 また、英ビクトリア女王(Queen Victoria)が別の女性の上に馬乗りになって品のないポーズをとる姿を描いて同性愛に否定的だった同女王をあざ笑う作品「Queen Vic」は、最低価格を約3倍上回る1万1700ユーロ(約150万円)で落札された。(c)AFP