【10月31日 CNS】アップル(Apple)のスマートフォンユーザーがアップルIDを盗用された事件について、中国消費者協会(CCA)は意見書を公開した。

 意見書でCCAは、「近ごろ、アップルのスマホを使用している消費者の財産安全権が侵害された。財産の損失が生じ、インターネット決済の安全性に重大な欠陥があることが明らかになった」「関係する経営者らが自身の法的責任を明確にさせ、消費者の決済安全を確実に保障するよう求める」とした。

 一部メディアの報道によると、この間に各地でスマホユーザーのIDがアップル決済上で盗用され、最大で1万元(約16万円)以上の損失が生じたている。発生範囲が広く、支付宝(アリペイ、Alipay)や微信支付(ウィーチャットペイ、WeChat Pay)、銀行カードなどのモバイル決済に結びづけられている。

 アップルはその後、16日に声明書を発表した。「調査の結果、一部ユーザーのアカウントが二重認証機能を切った状況でフィッシング詐欺に遭ったことが判明した。同時に、詐欺的な返金申請によって不当に利益を得ようとする行為が増えつつある状況も明らかにした。全ユーザーが二重認証機能を使用し、未認証の訪問を阻止するよう、強くお勧めしたい」

 これに対し、CCAは19日の意見書では、「アップルが声明書の中で指摘した『詐欺的な返金の申請により不当に利益を得ようとする行為が増えつつある状況』や、ハッキングの原因や手段などは免責の理由にはならず、自身の問題と詐欺的な状況を混然一体で語ってはならない。アップルは責任を回避してはならない。自身が抱える安全問題を矮小(わいしょう)化し、消費者の目をそらすようなことをしてはならない」と述べている。

 CCAは「アップルは、安全責任と安全問題を正視しなければならない。損失をこうむり賠償を求めてきた消費者に対して、経営者と第三者決済プラットフォームは、十分に反証可能な証拠が無いかぎり、十分な金額の賠償を一律で行わねばならない。IDを設定しないとアプリストアなどの消費ができない仕組みについても、経営関係者が調整を行い、消費者の選択権を尊重し、消費者の財産と安全を十分に保護するよう求める」としている。(c)CNS/JCM/AFPBB News