サウジ記者死亡 「最悪級の隠蔽」と米大統領 容疑者のビザ無効に
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【10月24日 AFP】トルコ・イスタンブールにあるサウジアラビア総領事館内で、サウジの著名ジャーナリスト、ジャマル・カショギ(Jamal Khashoggi)氏が死亡した事件で、ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は23日、「史上最悪級の隠蔽(いんぺい)」が行われたと非難した。
一方でマイク・ポンペオ(Mike Pompeo)国務長官は、カショギ氏殺害への関与が疑われるサウジ人らの「少なくとも一部を特定」したと発表。容疑者らが米国に入国する際に必要となるビザ(査証)を無効にする方針を示した上で、「これらの罰則で終わりにはならない」と述べた。
サウジアラビアは事件発覚後、2週間以上にわたりほぼ沈黙を続けた末、20日になってカショギ氏が総領事館内で起きた「殴り合い」の末に死亡したことを認めた。
だがトルコのレジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領は23日、カショギ氏は計画的に殺害されたとの見解を示し、サウジ当局が拘束した容疑者18人の裁判をイスタンブールで行うよう要求していた。
カショギ氏の遺体はまだ発見されていないが、22日にはイスタンブール市内の地下駐車場に乗り捨てられていたサウジ総領事館の車両が見つかり、トルコ警察が車内を捜索している。また米CNNテレビは、カショギ氏の服を着て本人になりすまし、総領事館を出るサウジ当局者を捉えたとされる映像を放送した。
トランプ大統領はホワイトハウス(White House)の大統領執務室(Oval Office)で、「そもそもの構想が非常に悪かった。実行の仕方もお粗末で、史上最悪級の隠蔽行為だった」と指摘。一方で、カショギ氏の死に関するサウジ側の説明を信じるかとの質問に対しては、「まずは事実関係を確認したい」と述べ、米国の同盟国としてのサウジの重要性を強調した。(c)AFP