独の小さな町に暮らす中国人1000人、目標は欧州最大の中国系貿易センター
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【1月3日 AFP】中国人起業家のジャン・ジャンシン(Zhang Jianxin)さんは、自身が投資したドイツ西部の小さな町に到着した時、詐欺に遭ってしまったのではないかと不安になった──。
ジャンシンさんと他の11人の中国人ビジネスマンは、1人当たり約100万元(約1570万円)を支払い、この町での住居の確保と、ドイツでの居住許可の取得や事業者登録など各種手続きのサポートをしてもらうことになっていた。
「だがここに初めて来た時、人の背丈よりも高く草が伸びていた。私はICCNの最高経営責任者(CEO)に、全部でたらめではないでしょうねと言ってしまった」とジャンシンさんは話す。ICCNとは、このプロジェクトを運営している会社の名前だ。
公明正大なビジネスであることはすぐに判明した。あれから6年。人口3500人の町、ホップシュテッテン・バイアースバッハ(Hoppstaedten-Weiersbach)には、ジャンシンさんを含む中国人移民1000人が暮らしている。彼らはここで事業を営んでいる。
彼らに投資の話を持ち掛けたのは、中国人実業家のジェーン・ホー(Jane Hou)さんとドイツ人パートナーのアンドレアス・ショルツ(Andreas Scholz)さんだ。2人は欧州最大の中国系貿易センターを建設する計画を描いている。
ドイツ西部ラインラント・プファルツ(Rhineland-Palatinate)州の深い森に囲まれたこの町では、中国の中小企業300社が事業登録をすでに済ませている。さらに500人の投資家を迎え入れるため、今後5~7年の間に12棟の建物が建設される予定となっている。
すべては、ホーさんとショルツさんがフランクフルトの空港で言葉を交わしたことから始まった。
ショルツさんは当時、空港内で店舗を経営していた。名刺交換をした2週間後、ホーさんからドイツ人セールスマネジャーのポストを提示された彼は、その3週間後にはすべてを引き払って中国へ飛んでいたという。