サウジ人記者死亡、米議会が皇太子への厳しい対応要求 「排除すべき」の声も
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【10月22日 AFP】トルコにあるサウジアラビア総領事館でサウジ人記者ジャマル・カショギ(Jamal Khashoggi)氏が死亡した事件をめぐり、一部米議員の間で、サウジの事実上の指導者、ムハンマド・ビン・サルマン(Mohammed bin Salman)皇太子(33)が関与したとして皇太子への厳しい対応を求める声が出ている。共和党のリンゼー・グラム(Lindsey Graham)上院議員は21日、皇太子の「排除」を求めた。
ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は20日掲載の米紙ワシントン・ポスト(Washington Post)のインタビューで、カショギ氏の殺害をめぐってサウジ側の説明に「明らかにまやかしやうそがあった」と批判。一方で、ムハンマド皇太子については「彼に責任があるとは誰からも聞いていない」と述べ、あいまいな態度を示している。
これに対し、与党・共和党の一部有力議員はより厳しい姿勢を求めている。上院外交委員会委員長を務めるボブ・コーカー(Bob Corker)議員は21日、CNNテレビの番組で、ムハンマド皇太子が殺害の背後にいると思うかという問いに「そうだ。彼がやったと思う。この捜査を終わらせよう」と答えた。
その上で、皇太子が関与していたことが分かれば、英仏独と「集団的な対応を取るべきだ」と訴えた。
上院でトランプ氏の強力な支持者として知られるグラム議員も、皇太子は「排除されるべきだ」と呼び掛けた。「関与した者らを処罰したい。皇太子が関与していないと考えるのは不可能だ。武器売却のことは気にしていないが、サウジ現指導部とのビジネス関係には反対する」とも表明した。
トルコ大統領府によると、レジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領は21日、トランプ大統領と電話で協議し、カショギ氏の事件を「あらゆる面で」解明する必要があるとの認識で一致した。エルドアン氏はこの件について23日に声明を出す予定。「包み隠しのない真実」を明かすとしている。(c)AFP/Brian KNOWLTON/Issam AHMED