トランプ氏、記者暴行の議員を称賛 サウジ記者失踪の裏で
このニュースをシェア
【10月19日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は18日、モンタナ州で行われた選挙集会で、過去に英紙記者に暴行を加え有罪判決を受けた同州選出の下院議員を称賛し、同氏が起こした事件を軽視するかような発言を行った。
グレッグ・ジアンフォルテ(Greg Gianforte)議員は昨年、英紙ガーディアン(Guardian)のベン・ジェイコブス(Ben Jacobs)氏に暴行を加えて有罪と認められ、執行猶予付きの禁錮6月、公共奉仕活動40時間、アンガーマネジメントのカウンセリング20時間、罰金及び訴訟費用として385ドル(約4万3000円)の支払いを言い渡された。この事件で、連邦議会選に出馬していたジアンフォルテ氏は全米の注目を集めた。
トランプ氏はジアンフォルテ氏を「素晴らしいモンタナ州のリーダー」「議会で最も尊敬される人物の一人」とほめちぎり、同氏への投票を呼び掛けた。
さらに、ジェイコブ氏の暴力沙汰をほのめかして「ジアンフォルテ氏とは絶対に取っ組み合いをしないように」、「(プロレス技の)ボディースラムをやってのける男、私はそういう人物が好みだ」と述べた。
トランプ氏はこの発言を、サウジアラビアの著名ジャーナリスト、ジャマル・カショギ(Jamal Khashoggi)氏が今月2日にイスタンブールのサウジ総領事館に入った後行方不明になっている事件をめぐり国際的な非難が巻き起こる中で行った。トランプ氏はカショギ氏について、すでに死亡しているとの見方を示している。
発言を受けてガーディアンの米支局記者は、報道の自由を定めた憲法修正第1条に触れ、「純粋に自分の仕事をしていただけのジャーナリストに対する攻撃をたたえることは、憲法修正第1条を守ると宣誓したまさにその者が同条を攻撃していることになる」と論じた。
さらに、「カショギ氏の殺害後にあって、米国のジャーナリストに対する攻撃に加え、しばしばより大きな脅威にさらされる世界中のジャーナリストに対する攻撃を誘因する危険を冒している」と指摘した。(c)AFP