試合中の指導、存在否定は「偽善」 セレーナのコーチが全面許可求める
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【10月19日 AFP】女子テニスのセレーナ・ウィリアムス(Serena Williams、米国)のコーチを務めるパトリック・ムラトグルー(Patrick Mouratoglou)氏が18日、コート上での指導を全面的に許可するよう求めた。
9月に行われた大坂なおみ(Naomi Osaka)との全米オープンテニス(US Open Tennis Championships 2018)決勝では、プレーヤーズボックスからムラトグルー氏がジェスチャーをしていた姿をとらえられ、セレーナがコーチングの警告を受けた。
これがきっかけとなり、セレーナとカルロス・ラモス(Carlos Ramos)主審の間で口論が勃発。ラモス主審を「盗人」呼ばわりしたセレーナは、結果的に1ゲームを失うペナルティーを科され、そのまま試合も敗れた。
ムラトグルー氏はこの日、ツイッター(Twitter)に投稿したコメントの中で「いかなるスポーツのパフォーマンスにおいても、コーチングは重要な要素だ。しかし、それを禁止してしまうと、あたかもコーチングは隠されないといけないものだとか、恥ずべきものであるかのようにみえてしまう」と語った。
また「見る人に一つのショーとして楽しんでもらえるよう、試合中の指導を許可し、それを実際に演出すれば、今後もコーチングは競技において重要なものとしてあり続けられる」と言う同氏は、大会では多くの選手がコート外から指導を受けていると述べ、コーチングの存在を否定するのは「偽善」だと主張した。
現時点で、コート上でのコーチングは女子テニス協会(WTA)の大会でのみ許可されており、男子プロテニス協会(ATP)のトーナメントや四大大会(グランドスラム)では認められていない。
全米オープンでは、予選とジュニアの部でコート上でのコーチングが実験的に導入されており、この問題は来週シンガポールで開催される女子テニスのシーズン最終戦、WTAファイナルズ(WTA Finals Singapore 2018)の期間中に話し合われる予定となっている。
ムラトグルー氏は「新たなファンを獲得するためには、彼らに試合に入り込んでもらう必要がある。観客やテレビ視聴者たちには、選手やコーチについて好き嫌いなどの意見を持ってもらわないとならない」と付け加えた。 (c)AFP