【10月17日 AFP】カナダは17日、嗜好用の大麻使用と販売を解禁した。ウルグアイに次いで世界で2か国目となる。世界に先駆け大麻を解禁してから3年、ウルグアイでは麻薬の密売が減少したと、専門家らは指摘している。

 2010~15年まで大統領の職に就いていたホセ・ムヒカ(Jose Mujica)氏がマリフアナ合法化を打ち出した当時、国民は反対の声を上げた。しかし、次第にその態度を軟化させ、現在では大半がこの政策を支持している。

 ウルグアイでは2013年12月、娯楽用の大麻の栽培、流通、販売を合法化した。同国の人口は350万人とカナダの10分の1にとどまるが特に大きな問題は報告されていない。大麻を入手する方法は、自宅での栽培(1人最大6株まで)、グループに所属して共同栽培、もしくは薬局での購入となっている。

 合法化前には、大麻の過剰摂取でぼんやりとした人が街にあふれ、人々を襲撃するようになるだろうと恐怖をあおる人もいたが、そうした状況は、これまでのところ確認されていない。

 政府の大麻合法化政策を監視する「モニター・キャナビス(Monitor Cannabis)」の調査によると、合法化の後も、それまでの利用者増加のペースを上回るような異常な動きは特にみられないという。

 また、国家大麻規制管理機構(IRCCA)の統計によると、大麻を定期的に使用している人の54%は、解禁前にはアクセスできなかった合法的な手段を利用しているとされる。

 だが、全体を通じて何も問題がなかったというわけではない。栽培に関するものをはじめ、さまざまな問題が発生した。中には、大麻に関わる事業者に対して金融機関が制限を課すケースもあった。

 さらには「犯罪を誘発する」「そもそも合法化に反対」などの理由から大麻を敬遠する事業者も多く、実際に大麻を取り扱っている薬局の数は17店舗にとどまっているという。

 現在ウルグアイでは、生産者7000人、大麻栽培グループ107団体、購入希望者2万8500人の登録がある。

 社会学者のセバスティアン・アギアル(Sebastian Aguiar)氏は、登録済の購入希望者全員が、最大割当量である40グラムの大麻を購入した場合、「違法の取引量を年間50%減らすことができる。これは2250万ドル(約25億円)に相当する」と指摘している。(c) AFP/Mauricio RABUFFETTI