【10月17日 AFP】(更新)日本の人気ドラマ「電車男(Train Man)」を基にしたミュージカルドラマが、米国の視聴者向けに制作されることが決まった。制作陣が16日、発表した。

 インターネット掲示板に恋愛相談を持ち掛けたオタク男性の実話に基づいたこの作品は、大人気となったテレビドラマ版に加え、小説や漫画、映画にもなり、社会現象を巻き起こした。

 仏カンヌで開催されている世界最大の国際テレビ番組見本市「MIPCOM」での発表によると、米国版ミュージカルドラマは1話30分のシリーズで、監督は映画『ヘアスプレー(Hairspray)』で名をはせたアダム・シャンクマン(Adam Shankman)が務める。

 フジテレビジョン(Fuji Television)によるドラマの米国輸出は、同社史上初めて。同社の大多亮(Toru Ota)常務取締役は、「わが社の大ヒットドラマのハリウッド(Hollywood)リメークが始まったことに、言葉では言い表せないほどわくわくしている。『電車男』はいわゆる『オタク』をコミカルに描いたものだが、視聴者は彼の誠実さを感じ、彼を受け入れてくれた」と語っている。

 米国版の脚本は「Hey!レイモンド(Everybody Loves Raymond)」のフィリップ・ローゼンタール(Phil Rosenthal)とタッカー・コーリー(Tucker Cawley)が手掛ける。

 製作会社バーティゴ・エンターテインメント(Vertigo Entertainment)のマイケル・コノリー(Michael Connolly)エグゼクティブプロデューサーは、風貌のさえない男性を主人公とした仏劇作家エドモン・ロスタン(Edmond Rostand)の戯曲「シラノ・ド・ベルジュラック(Cyrano de Bergerac)」を引き合いに、「電車男」は「シラノのような物語を、ソーシャルメディアプラットフォームを用いて描いたという点で、時代を先取りしていた」と評価した。

 これに先立ち、英俳優のジョセフ・ファインズ(Joseph Fiennes)は、シラノ・ド・ベルジュラックを原作とした新テレビドラマ制作の話が持ち上がっていると明かしていた。ファインズはこのドラマで制作に関わるほか、非常に長い鼻を持ち絶望的な恋に悩む主人公のシラノ役も務める予定だ。(c)AFP