【10月24日 CNS】退勤したら、家の近くのコンビニでジュースを買いに立ち寄ることが長い間続けてきた江さんの日課だ。が、この8月でこの日課を止めざるを得なくなった。その日、行きつけのコンビニが突然閉店したのだ。

 同じジュースを買おうと思ったら、約1キロ離れたスーパーまで行かねばならない。長い1日が終わり、疲れがピークに達している江さんにスーパーまで行く力は残っていない。悶々として家路につくだけだ。寝る前に、江さんは日記にこう記した。「コンビニはいつ再開するのか?ジュースが欲しい!」

■北京の大手コンビニ「鄰家便利店」が倒産

「鄰家便利店(Linjia)」の従業員は、店舗168軒を擁する会社が突然倒産するなど想像もできなかっただろう。

「鄰家」の唯一の株主は、「高通盛融財富投資集団(Qualcomm Shengrong)」。同社の出資者の中には、「善林金融信息服務(Shanlin Jinrong、善林金融)」の法人代表者である周伯雲(Zhou Baiyun)氏が入っている。上海市公安局が4月24日、善林金融が600億元(約9739億円)を超える民衆の資金を不法に流用した疑いで周伯雲容疑者らを逮捕したことは記憶に新しい。

■閉店や倒産に追い込まれたのは鄰家だけではない

「鄰家」の倒産は、コンビニ業界に押し寄せる倒産劇の始まりに過ぎない。

 北京の大手コンビニの「北京131(北京拾品味壹参壹連鎖便利店)」は9月18日、資金繰りに行きづまり、正常な経営を続けることができなくなったと発表した。

 このほか、店舗数の多い「全時便利店(北京全時参陸伍連鎖便利店)」も資金繰りの問題により大量の店舗を閉店し、関連企業である「全時生活」も相次いで閉店するのではといううわさが流れている。