【10月16日 AFP】(更新)サウジアラビアの著名ジャーナリスト、ジャマル・カショギ(Jamal Khashoggi)氏がトルコ・イスタンブールのサウジ総領事館を訪問後に失踪した問題で、トルコ警察は15日、同館の捜索を開始した。一方、ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は、カショギ氏の失踪には「はぐれ者の殺人者ら」が関与していた可能性があるとの見解を示した。

 米国在住のカショギ氏は今月2日、結婚に必要な書類を整えるため総領事館に入ったのを最後に行方が分からなくなっている。同氏は、強い権力を握るサウジのムハンマド・ビン・サルマン(Mohammed bin Salman)皇太子に対する批判を強めていた。

 トルコ当局はカショギ氏が殺害されたとの見解を表明。サウジ側は殺害を否定しているが、この問題は同国のイメージ低下につながり、改革路線をアピールする若きサルマン皇太子の取り組みにとっても大きな痛手となっている。

 トランプ米大統領はこの問題を受け、マイク・ポンペオ(Mike Pompeo)国務長官をサウジに派遣。米国務省によると、ポンペオ長官はカショギ氏失踪の真相究明に向け「サウジ指導者と直接会談」する予定だ。

 総領事館の敷地内はサウジ領土と同じ扱いとされており、同国政府はこれまでトルコ捜査当局による捜索開始を許可していなかった。報道によると、両国は捜索の条件をめぐって対立していたとされる。

 だがトルコ当局は15日夕、総領事館前に高い鉄柵を設置。その後6台の車両が総領事館に到着し、トルコの警察官と検察官らが敷地内に入った。

 トランプ氏は同日、サルマン皇太子の父であるサルマン国王(King Salman)とカショギ氏の失踪後初となる電話会談を実施。その後のツイッター(Twitter)投稿で「サウジアラビア国王と今話をしたところだ。国王は、『わがサウジアラビア市民』の身に起こったことが何であれ、自分は全く関知していないと言っている」と説明した。

 トランプ氏はさらに、ホワイトハウス(White House)で記者団に対し、「(サルマン国王の)否定はとても、とても強かった」とし、「はぐれ者の殺人者ら(の犯行)だった可能性もあるように聞こえた。何とも言えない」と語った。(c)AFP/Fulya Ozerkan and Stuart Williams