【10月16日 AFP】(更新、写真追加)フランス南西部で15日、豪雨により河川が氾濫し、当局によれば少なくとも11人が死亡した。被害は近年の洪水で最大規模に達している。

 仏内務省は当初、13人が死亡したと発表したが、大きな被害の出ている南西部オード(Aude)県の当局が死者数を11人に修正。また、2人が行方不明となっており、ほかに8人が重傷を負っているとした。

 中世の城塞(じょうさい)都市カルカソンヌ(Carcassonne)周辺では、数時間のうちに3か月分の降雨量に相当する雨が降り、オード川などで洪水が発生。同川の水位は過去100年で最も高くなった。また、多数の町や村が鉄砲水に見舞われ、何台もの車が転覆したほか、道路が破壊され、家屋が倒壊した。

 当局によると、カルカソンヌに近い町トレブ(Trebes)では、オード川の水位が5時間で8メートルも上昇。同じくカルカソンヌに近いペザンス(Pezens)では、近隣にあるダムが決壊する恐れがあるとして、約1000人が避難した。

 エマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)仏大統領は「オード洪水の被害者と被害者の家族に対する国全体の見舞いの意と連帯」を表明した。大統領府によると、マクロン氏は近く被災地域を訪れる意向を示している。

 オード川の水位は15日夜遅くにピークに達する見通し。現地当局によると、午後の時点でも複数の町で避難活動が続いている。多くの道路が通行できなくなっており、救助にはヘリコプターが投入されている。(c)AFP