「まだプロじゃないのに…」 ボルト氏、ドーピング検査の通知に不満
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【10月16日 AFP】オーストラリアでサッカー選手としてのキャリアを目指している元陸上男子短距離のウサイン・ボルト(Usain Bolt)氏が、まだプロ契約を結んでいないにもかかわらず、薬物検査の通知を受けたことに驚いている。
陸上男子100メートルの世界記録保持者で昨年現役を引退したボルト氏は、現在サッカー豪Aリーグのセントラルコースト・マリナーズ(Central Coast Mariners FC)の練習生としてプレーしている段階で、まだチームからプロ契約のオファーは受けていない。
こうした状況の中でボルト氏は15日、インスタグラム(Instagram)に投稿した動画で、「自分は陸上競技を退いて今はサッカー選手を目指しているが、これを見てくれ」と切り出すと、カメラに向かって薬物検査の通知を拡大。この書類は尿と血液を採取する抜き打ち検査を要請するもので、オーストラリアサッカー連盟(FFA)が発行したものとみられる。
「どうして薬物検査を受けなくてはいけないんだ? まだプロ契約すらしていないのに。真面目な話だ」「だから、担当の女性に『まだクラブと契約を結んでいないのに、なぜ薬物検査を受けるんだ?』と尋ねたら、連盟からの指示で、俺は一流のアスリートだから検査を受ける義務があると言われた。それで承諾した」
ボルト氏の不満をよそに、オーストラリア反ドーピング機関(ASADA)のガイドラインによれば、同氏には検査を受ける資格があるとみられている。同機関の規則では、「スポーツ競技をしている個人」は、「そのスポーツが反ドーピング方針を有している」場合、選手として定義されることになっている。
2008年北京五輪の陸上男子100メートルと200メートルで2冠に輝くなど五輪で合計8個の金メダルを獲得し、陸上界を席巻してきたボルト氏は、現在プロのサッカー選手を目指している。12日に行われたマリナーズのプレーシーズンマッチでは、2得点を記録して結果を出した。
イングランド・プレミアリーグ、マンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)の熱狂的ファンであるボルト氏は、自身の夢をかなえるためにマリナーズの練習に無期限で参加できるチャンスを与えられている。(c)AFP