【10月15日 AFP】ミャンマーで「仏教のオサマ・ビンラディン(Osama bin Laden)」との異名を持つ超国家主義の高僧ウィラトゥ(Wirathu)師が14日、イスラム系少数民族ロヒンギャ(Rohingya)をめぐる問題で国際社会がミャンマー軍司令官らの責任追及を求めていることを激しく非難した。

 ミャンマーの仏教徒の国家主義運動の顔として知られるウィラトゥ師は、高僧会議から「宗教に対するヘイトスピーチを繰り返し、地域社会の対立を引き起こしている」として昨年から今年3月まで公共の場の説法を禁止されていた他、フェイスブック(Facebook)からも締め出しを受けていた。

 説法禁止が解除されて初めて、軍を支持する集会に集まった数百人を前に演説を行ったウィラトゥ師は、国際刑事裁判所(ICC)がロヒンギャをめぐるジェノサイド(大量虐殺)や人道に対する罪で軍高官らの捜査を求める声に抗議し、「ここにICCが来る日は…ウィラトゥが銃を手にする日になる」と述べた。

 また同師は、ミャンマーへの厳しい対応の回避に動いている国連安全保障理事会(UN Security Council)の常任理事国の中国とロシアを「真実を支持する国家主義の大国」と呼んで称賛した。

 同師はさらに、「ミャンマーにイスラム教を広めたいがために、ベンガリ(ロヒンギャの蔑称)をロヒンギャと呼ぶなど、世界にうそをつくな」「ありもしない宗教集団をでっち上げて、われわれの国を破壊するな」と主張した。(c)AFP