ネパールで遭難の韓国登山隊、遺体収容 現場は「爆弾が破裂」したよう
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【10月14日 AFP】(更新)ネパール西部の山グルジャ(Gurja、標高7193メートル)で韓国の遠征隊員らが死亡した事故を受け、現場では14日、韓国人5人とネパール人山岳ガイド4人、合わせて9人の遺体が収容された。
遠征隊のキャンプは11日遅く、もしくは12日に猛烈な風に襲われ、テントが全て倒れるなど、完全に破壊された。
14日に現場入りした救助隊員らは、標高3500メートルほどの場所に設置されたベースキャンプ周辺で散乱する遺体を発見。周囲には損壊したテントや装備が残されていた。
隊員らの遺体には傷があり、頭部を負傷していたり、骨折したりしており、強風に襲われたとの見方に一致する。ただ救助隊員らによると、吹雪ではなく雪崩による強力な風が事故を引き起こした可能性が高いという。
現場に到着した救助隊員の1人は、「氷塔(セラック)や雪が山の上から落下し、高所からの強烈な突風がキャンプ地を襲い、登山家を吹き飛ばしたようだ」と説明している。
登山家らの遺体はヘリ1機が何度も現場へ飛行して搬送。ヘリコプター運航会社の社員によると、遺体はアンナプルナ(Annapurna)地方の玄関口である観光地ポカラ(Pokhara)に搬送され、14日遅くには首都カトマンズへ運ばれるという。
今回の遺体収容を支援した、米国に拠点を置く緊急支援団体「グローバルレスキュー(Global Rescue)」のダン・リチャーズ(Dan Richards)氏は、「ベースキャンプはまるで爆弾が破裂したみたいだった」と語った。
韓国隊を率いていたのは同国の有名登山家、金昌浩(キム・チャンホ、Kim Chang-ho)氏。金氏は地球上の最高峰14座の無酸素登頂に成功していた。
韓国隊は10月初めからアンナプルナ地方にあるグルジャ山に入り、新ルートでの登頂を目指していた。(c)AFP