【10月14日 AFP】マレーシアで13日に行われた連邦下院補欠選挙で、同国のアンワル・イブラヒム(Anwar Ibrahim)元副首相(71)が大差をつけて勝利を果たした。同性愛行為などの罪で服役した過去から見事に復活し、同国政界の第一線への復帰に向けた足がかりを築いた形だ。

 同国のマハティール・モハマド(Mahathir Mohamad)首相(93)の意向通りアンワル氏が首相の後継となるには、今回の下院補選での当選が必要となっていた。アンワル氏は同首相との関係が悪化した1998年に同性愛行為と汚職の罪で有罪判決を受け服役した。

 マハティール氏は、今年5月に同国で行われた総選挙で地滑り的な勝利を収め首相に返り咲き、その際には2年の在任後にアンワル氏に首相職を引き継がせるとの考えを示していた。

 同国の選挙管理委員会の集計によると、7人が立候補した今回の下院補選で、アンワル氏は71%を超える得票率を確保。候補者の中には、同性愛行為でアンワル氏に対する訴えを起こした元顧問の名もあった。アンワル氏はこのため2014年に再び服役している。

 アンワル氏は当選後「結果に満足している。アラーがわれわれ皆を祝福するよう」と述べた。今回の当選で、カリスマ的な同氏は刑務所から議会への見事な復活を遂げる。(c)AFP/M JEGATHESAN