【10月13日 AFP】米国の伝説的ミュージシャン、故プリンス(Prince)さんの遺族がドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領に対し、選挙集会でプリンスさんの楽曲の無断使用をやめるよう求める声明をツイッター(Twitter)で発表した。トランプ大統領に対してはこれまでにもさまざまなアーティストが同様の抗議を表明している。

 異父・異母きょうだいの一人オマール・ベイカー(Omarr Baker)さんは、「(遺産管理団体の)プリンスエステート(Prince Estate)は、トランプ大統領やホワイトハウス(White House)に対し、プリンスの楽曲の使用許可を出したことは一度もなく、直ちに使用をやめるよう要請した」とツイート。2016年に強力な鎮静剤を誤って過剰に摂取したために57歳で急逝したプリンスさんは、遺言を残しておらず、存命している子どももいないため、きょうだいがプリンスさんの遺産を管理している。

 報道によると、トランプ氏は11月の中間選挙に向けた最近の集会で、プリンスさんのヒット曲「パープル・レイン(Purple Rain)」をプレイリストに追加。先週、同国南部ミシシッピ州で行われた集会でも流していたという。AFPはトランプ氏側に取材を申し込んだが、今のところコメントは得られていない。

 トランプ氏は自身の集会で使用した楽曲のアーティストらからたびたび抗議を受けており、これまでにも「ザ・ローリング・ストーンズ(The Rolling Stones)」や「R.E.M.」、「エアロスミス(Aerosmith)」、「クイーン(Queen)」、アデル(Adele)さん、ニール・ヤング(Neil Young)さん、故ジョージ・ハリスン(George Harrison)さんの遺産管理団体、イタリアの伝説的オペラ歌手、故ルチアーノ・パバロッティ(Luciano Pavarotti)さんの遺族からも楽曲を使用しないよう求められてきた。

 米国の法律では、アーティストが自身の楽曲を政治キャンペーンで使用しないよう要請することはできるが、法的措置によって達成された例は今のところまだない。(c)AFP