【10月13日 AFP】(更新)ネパール西部の山グルジャ(Gurja)で、キャンプが猛吹雪に襲われ、韓国の遠征隊員ら9人が死亡した。当局が13日、明らかにした。ネパールで発生した山岳事故としては、ここ数年で最悪の規模となった。

 救助隊は13日朝、キャンプの残骸がある場所で韓国人4人、ネパール人ガイド4人の遺体を発見したが、強風といてつく寒さのために捜索活動は難航。韓国人登山者の5人目の犠牲者は当初、行方不明とされていたが、吹雪の際にキャンプにいたことを当局が確認した。

 韓国外務省は声明で、「韓国人5人の登山隊および外国人4人は、グルジャ山への登山中にベースキャンプで、強風により命を奪われた。崖から落ちて死亡した」と発表した。

 吹雪の後、最初に現場入りした一人であるヘリコプターの操縦士は、現場は完全に破壊され、テントも倒れ登山者の遺体が散乱していたと証言。

 操縦士はAFPに対して、「すべてがなくなっていた。テントも吹き飛ばされてバラバラになっていた。寒さのために捜索の続行は不可能だったと語った。

 ヘリコプターはキャンプ地の上方に着陸したものの、不安定な気象条件のため遺体の収容はできていないという。

 韓国の登山隊とネパール人ガイドは10月初めから、標高7193メートルのグルジャの山裾にキャンプを設置し、登頂を目指して天候の回復を待っていた。

 AFPが確認した政府発行の登山許可証によると、韓国隊を率いていたのは同国の有名登山家、金昌浩(キム・チャンホ、Kim Chang-ho)氏。金氏は2013年、地球上の最高峰14座の無酸素登頂を最短で成功する記録を更新していた。

 グルジャはアンナプルナ(Annapurna)地方にあり、世界で7番目の高さを誇るダウラギリ(Dhaulagiri)の隣に位置している。(c)AFP