米、民生用原子力技術の対中輸出の審査厳格化へ 軍事転用など懸念
このニュースをシェア
【10月12日 AFP】(更新)米当局は11日、中国向けの民生用原子力技術の輸出に対する審査を厳格化することを発表した。技術が経済的利益のため窃取されることや、軍事目的に転用されることへの懸念が理由。
米エネルギー省のリック・ペリー(Rick Perry)長官は、米国は「米中による既存の民生用原子力協力の手続きの外で中国が核技術の入手に取り組むことが、国家安全保障に及ぼす影響を無視できない」とした。
米ドナルド・トランプ(Donald Trump)政権は最近、課税対象とする中国からの輸入品を2500億ドル(約28兆円)相当に広げたばかり。今回の措置により、対中圧力拡大において新たな攻勢をかけることになる。
当局者らによると、米国は今後も中国への民生用原子力技術の輸出を許可するものの、審査が厳格化される。
エネルギー省は、特に国有原子力企業の中国広核集団(CGN)に関連する新規の許可は「却下されることが推定される」と説明。
CGNは昨年、所定の承認手続きを経ずに、米国の専門知識を使って機密扱いの核物質を開発しようとしたとして訴追されている。この事案では、台湾生まれで米国に帰化した個人も訴追された。(c)AFP