【10月12日 東方新報】中国・遼寧省(Liaoning)監獄管理局によると、凌源(Lingyuan)第三監獄から脱獄した受刑者の王磊、張貴林両受刑者は6日午後1時15分、河北省(Hebei)平泉市(Pingquan)台頭山鎮(Taitoushan)で逮捕された。

 平泉市公安局は、脱獄した受刑者2人の捜査命令を受け、全警察官が緊急出動。隣接する遼寧省の榆樹林子鎮、台頭山鎮、茅藍溝郷(Maolangou)などを重点的に、市の幹部や市民も動員し、手がかりを探すこととした。

 榆樹林子鎮の役場職員の孫さんは、記者の取材に答え、「事件が発生した時は、村の60人の幹部の大部分は休暇を取っていたが、全員に招集がかかり、捜索に参加した」と話す。

 役場の事務員の李学さんによると、4日午後5時過ぎ、脱獄中の2人が同鎮の商店に現れ、約10分間買い物をし、白酒1本、ビール6缶、ミネラルウォーター10本などを買い130元(約2113円)を支払ったことがわかったという。公安と武装警察約800人の出動に合わせ、村民約1000人も合流、村の南北にある山側から捜索を開始した。

 役場職員の孫さんは、「全村民が動員され、捜索に加わった。受刑者の一人は以前、人をあやめたことがあるので、安全のため村人と村の幹部が数十人で一つの混成チームを作り、道案内や検問所の設定、登山捜索、糧食の提供などの支援を行った」と語った。

 翌5日の夜も、孫さんと村の幹部数名は果樹園に入り、村民と共に一晩中捜索を行ったという。「一晩寝なかった。後に60キロメートル離れた場所で脱獄犯が捉まったというニュースを聞き、皆ほっとして家に戻り休むことができた」

 公安が脱獄者2人を逮捕した台頭山鎮から凌源第三監獄までの距離は約90キロメートル、車で1時間半の距離だ。二人がどのように移動してきたのかなど、公安機関で引き続き捜査中だ。(c)東方新報/AFPBB News