【10月10日 AFP】(更新)ニッキー・ヘイリー(Nikki Haley)米国連(UN)大使が9日、突然の辞任表明を行った。人の入れ替わりが激しいドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領の国家安全保障チームから、また1人去ることとなる。

 トランプ大統領はホワイトハウス(White House)の大統領執務室(Oval Office)でヘイリー氏と会合し、ヘイリー氏は「素晴らしい仕事」をしたと指摘、年末まで大使を務める見通しだと述べた。記者団に対し、「おそらく半年ほど前」にヘイリー氏が「少し休みを取りたい」と話したとし、後任は「2、3週間以内に」指名される考えを示した。

 ヘイリー氏は辞任の理由を明らかにせず、やりがいのある仕事を続けた後には「引き際を見極めることが重要」と述べるにとどまった。また米メディアの臆測に対し、2020年の大統領選に出馬しトランプ氏の対立候補になるつもりはないと主張した。ヘイリー氏は共和党のより穏健な代替候補になり得るとみられていた。

 トランプ大統領とヘイリー氏は、今回の辞任が穏便なものであることを強調。米政界関係者の間では、ヘイリー氏の辞任が新たな権力争いの結果によるものであることを疑う見方があるが、一方で比較的面白みのない説明として、同氏が民間セクターで得られる巨額の収入を必要としているとの説もある。政府が今年公開した資産情報によると、ヘイリー氏は100万ドル(約1億1300万円)以上の住宅ローンを含む巨額の負債を抱えている。

 ヘイリー氏をめぐっては、汚職防止団体が前日8日、民間実業家が所有する航空機使用の招待を受けていたとの疑惑について、調査を要求していた。だが今回の辞任との関連性は明らかになっていない。(c)AFP/Sebastian SMITH and Shaun TANDON