ブラジル、極右ボルソナロ氏に「津波」級の勢い 議会選でも躍進
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【10月9日 AFP】ブラジルで7日に投開票された大統領選は決選投票にもつれ込む結果となったものの、元軍人の極右ジャイル・ボルソナロ(Jair Bolsonaro)下院議員(63)が圧倒的な強さを見せつけた。この勢いはボルソナロ氏が所属する小政党、自由社会党(PSL)にも波及し、同時に実施された連邦議会選挙ではPSLが躍進した。
議会選前、定数513の下院でPSLの議席はわずか8議席だったが、7日の選挙では一気に52議席を得る見通しだ。
さらに、これまで議席がなかった上院(定数81)でも4議席を獲得。ボルソナロ氏には息子4人と娘1人がいるが、このうち長男のフラビオ(Flavio Bolsonaro)氏が上院選で当選。エドゥアルド(Eduardo Bolsonaro)氏も下院選で難なく再選された。
識者の間では、極右政党のPSLは下院で一握りの議席を確保するにとどまると予想されていただけに、今回の大躍進は驚きの結果となった。
PSLは依然として議会で少数派だが、今月28日の決選投票でボルソナロ氏が大統領に当選すれば、数十人の保守系議員との連携が可能となる。
こうした保守系議員は、強い影響力を持つ農業界や銃規制緩和の推進派、キリスト教福音主義者に支持されていることから、ビーフ(牛肉)、ブレット(銃弾)、バイブル(聖書)の頭文字をとって「BBB」と呼ばれている。
「ボルソナロ政権」が誕生すれば、同氏は犯罪の厳しい取り締まりや警察の増強、銃所有手続きの簡易化、環境規制の緩和、家族第一主義といったマニフェストに沿った法案を通す上で、BBB議員を当てにできる。
再選された議員が半数に満たなかったという事実は、ブラジル政界で延々と続く政治腐敗スキャンダルに怒りを募らせたブラジル国民の、議会を罰したいという強い気持ちを反映したものだと言える。
これまでのところスキャンダルとは無縁のボルソナロ氏は、汚職の一掃を言明している。
政治ニュースサイト「Congresso em Foco」は今回の議会選の結果について「われわれが目にしているのは、ボルソナロ氏を支持する非常に強力な波だ。この津波が議会の風景を覆し、その右傾化・二極化を進めた」と評している。(c)AFP/Jordi MIRO et Louis GENOT a Rio de Janeiro