香港当局、英紙記者のビザ更新拒否 退去まで7日間の猶予
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【10月8日 AFP】中国・香港に駐在する英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)の英国人記者が、就労査証(ビザ)の更新を申請したところ当局がこれを拒否し、さらには7日以内に退去せざるを得ない事態に陥っていることが分かった。FTが8日、明らかにした。半自治権を有する香港において、報道の自由に関わる前例のない問題に発展している。
FTでアジアニュース編集者を務めるビクター・マレット(Victor Mallet)記者は、香港独立を訴える小規模政治団体「香港民族党(Hong Kong National Party)」を率いる陳浩天(アンディ・チャン、Andy Chan)氏による講演を断行。中国及び香港当局の怒りを買っていた。
中国政府は、香港におけるあらゆる独立派の動きを弾圧しており、同党は以後活動を禁止されている。
マレット記者は先週、ビザの更新申請を、香港の入境管理当局によって拒否されていた。
さらにFTは8日、マレット記者が前日の7日に香港へ戻った際、7日間しか滞在が認められない訪問ビザのみの発給を受けたと報じている。
事情を詳しく知る複数の関係筋がAFPに明かしたところによると、マレット記者は入境管理当局から取り調べを受け、自動的な入境は拒否されたという。
英国の市民は通常、ビザなしで180日間の滞在が認められている。
FTの報道では、入境管理当局は、同記者に対し短期訪問用のビザしか発給されなかった理由を説明しなかったとされる。同紙は、マレット記者の就労ビザの更新が拒否されたことについて、「香港当局からの説明を求め続けていく」としている。(c)AFP