米、カバノー氏が最高裁判事に 上院で可決
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【10月7日 AFP】(更新)米上院は6日、保守派のブレット・カバノー(Brett Kavanaugh)氏(53)を最高裁判事とするドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領の人事案を賛成50、反対48で可決した。カバノー氏をめぐっては、性的暴行疑惑をめぐる論争があり、同様の採決としては過去100年余りで最もわずかな差の結果だった。
10代の頃にカバノー氏からレイプされかけたという女性の訴えと、それを激しく否定するカバノー氏という構図で進んだ審議は長引いた。クラレンス・トーマス(Clarence Thomas)米最高裁判事の就任をめぐる1991年の審議の時以来の激しい論争を呼び、米政界に感情的な混乱をもたらした。
採決は傍聴席からの怒りに満ちた抗議によって数回中断された。2票という賛成と反対の票差は米最高裁判事の人事承認としては1881年以降で最も少ないが、可決されたことでトランプ大統領にとって大きな勝利となった。
その後最高裁で宣誓式が開かれ、カバノー氏はジョン・ロバーツ(John Roberts)連邦最高裁長官の前で宣誓して最高裁判事に就任した。これでトランプ大統領は、自身が選んだ判事を2人最高裁に送り込んだことになり、大統領任期の半分が過ぎるのを待たずに最高裁を大きく右寄りに傾けることに成功する形になった。
しかし、カバノー氏の承認をめぐる審議は政治的な情熱をかき立てた。首都ワシントンでは1000人余りがカバノー氏に対する抗議活動を行った。採決の数時間前には大勢のデモ参加者がバリケードを突破し、「恥を知れ!」「(中間選挙が行われる)11月が来るぞ!」などと叫びながら連邦議会議事堂前の階段で座り込みを行った。
採決の結果はカバノー氏の最高裁判事就任を阻止すべく激しく闘ってきた民主党にとって大きな敗北となったが、民主党の上院議員らは中間選挙の勝利に向けた刺激になるだろうと話している。(c)AFP/Michael Mathes