「フェイクニュース」は英語、使用やめて フランス語保護で政府委員会が提言
このニュースをシェア
【10月5日 AFP】「fake news(フェイクニュース、偽ニュース)」は英語だから使わないで──フランス語の保護・改善について提言する仏政府傘下の委員会「CELF」は4日、代わりに「information fallacieuse(アンフォルマシオン・ファラシューズ、誤った情報)」というフランス語を使用するよう呼び掛けた。
CELFはまた、「information fallacieuse」が長すぎて言いにくいと感じる人のために、新語「infox(アンフォクス)」の使用も提言している。これは「information(アンフォルマシオン、情報)」と「intoxication(アントクシカシオン、中毒)」を掛け合わせて作った単語だという。
1996年に創設されたCELFは有志の学者や文化人でつくる委員会で、フランス語の保護・改善に関する提言を行っている。フランス語の純粋性の維持に努める17世紀創設の仏国立学術団体「アカデミー・フランセーズ(Academie Francaise)」と提携して活動し、これまでに7900語を超える代替語を提案してきた。
CELFはこのほど官報に掲載された提言の中で、「アングロサクソン語の『fake news』は、偽情報を大衆に流布する行為を広く示す表現として急速にフランス語の中に浸透した」と嘆いた上で「これは、同じ意味を持つフランス語を発見する好機だ」と主張。他にも「nouvelle fausse(ヌーベル・フォス、偽ニュース)」や「information fausse(アンフォルマシオン・フォス、偽情報)」といった代替語を提案している。
新語については「誤った情報、または故意に偏向した情報」を指す表現として定義するとともに、これには「特定の政党を推して他党に損害を与えたり、特定の個人・企業の情報を傷つけたり、科学的に証明されている事象を否定したりする」意図を持った虚偽情報も含まれるとしている。
フランスでは、会話に英語の言い回しをちりばめる人が特に若い世代の間で増えており、英語表現の流入をめぐる議論が頻繁に起きている。(c)AFP