南北で時差発生も、サマータイム廃止めぐりアイルランドで意見調査
このニュースをシェア
【10月4日 AFP】欧州連合(EU)の行政執行機関に当たる欧州委員会(European Commission)がサマータイム(夏時間)の廃止を提案したことを受け、アイルランド政府は3日、廃止の是非について市民から意見を募ると表明した。現在アイルランドでは英国と同じグリニッジ標準時(GMT)およびサマータイムが採用されているが、サマータイムを廃止した場合、地続きである英領北アイルランドと冬季に1時間の時差が生じることになり、市民生活への影響が懸念されている。
欧州委員会は先月、時計の針を春に1時間進め、秋に1時間戻すサマータイムについて、EU域内に無用の混乱を招いているとして廃止を提案した。
アイルランドがサマータイムを廃止した場合、国内の時間は1年を通して一定となる一方、年の半分は隣国である英国と1時間の時差が生じることになる。
アイルランド政府の報道官によると、サマータイムに関する経済や交通安全、健康への影響について司法省が市民から意見を募集するという。しかし英政府の報道官はAFPの取材に対し、政府としてサマータイム廃止を検討する意向がないと明言した。
アイルランドと英領北アイルランドの国境においては1998年に北アイルランド包括和平合意「聖金曜日の合意(Good Friday Agreement)」が締結されて以降、現在まで国境管理や税関検査といったものはない。
ただ、隣接するアイルランドと英国に時差が生じた場合、アイルランドと北アイルランド間を一日に何度も往来するような国境沿いの住民の日常生活には支障が出るものとみられている。(c)AFP