【10月4日 AFP】ロシアのウラジーミル・プーチン（Vladimir Putin）大統領は3日、年金支給開始年齢を引き上げる内容の改革法案に署名した。政府が明らかにした。引き上げは旧ソ連時代に現行の年齢が定められて以来初めてで、強い反発を招いてきた。

　法案は先週に下院、3日に上院を通過し、プーチン大統領が承認すれば成立する状態だった。ロシアでは定年が90年近く引き上げられてこなかったが、今回の改革により、男性で現在の60歳から65歳、女性で55歳から60歳へと段階的に変更される。

　法案をめぐっては、ロシアでは異例の街頭抗議デモが行われてきた。

　プーチン大統領は国民的な怒りと支持率の大幅な下落を受けて法案を修正し、当初案で63歳とされていた女性の定年を60歳とするなど、多くの譲歩を盛り込んだ。

　同大統領はまた、3人以上の子どもがいる女性の早期退職を可能としたほか、年金受給開始年齢に近い人を解雇したり、雇用を拒んだりした企業への罰金を定めた。

　だが一連の譲歩にも世論の怒りが収まることはなく、大半の国民は年金改革に反発し続けている。(c)AFP