空港ターミナルに7か月滞留、シリア人男性をついに逮捕 マレーシア
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【10月2日 AFP】マレーシア当局は2日、クアラルンプール空港(Kuala Lumpur International Airport)で約7か月間立ち往生していたシリア人男性を逮捕したと発表した。
シリア人男性のハッサン・コンタル(Hassan al-Kontar)さん(36)は3月7日、エクアドルに向かう便への搭乗を拒否され、それ以降同空港の格安航空会社(LCC)用ターミナルに滞留していた。
コンタルさんはカンボジアにも入国を拒否された上、ビザの期限切れでマレーシアへの再入国も認められなかった。報道によると、コンタルさんは兵役を拒否したとしてシリア当局に指名手配されている。
ターミナルで足止めされたコンタルさんは、機内食をもらって食べたり空港のトイレで洗濯したりして生き延びていた。
米人気俳優トム・ハンクス(Tom Hanks)さんが祖国の政府の崩壊後、米ニューヨークの空港で足止めされた男性を演じた映画『ターミナル(The Terminal)』(2004年)をほうふつとさせる出来事の渦中に置かれたコンタルさんは、ソーシャルメディアへの投稿によりメディアの関心を集め、マレーシア当局を当惑させた。
そうした中、マレーシア入国管理局のムスタファ・アリ(Mustafar Ali)局長によると、ついに警察はコンタルさんを逮捕する決定を下し、1日にコンタルさんを空港から排除した。
国営ベルナマ(Bernama)通信は、アリ局長が「ソーシャルメディアでの彼の言動はマレーシアを辱しめるもの」で「搭乗券を所持せずに立ち入り規制区域にいたとして、(コンタルさんを)昨日逮捕した」と述べたと伝えている。
当局はシリア当局と連携して、コンタルさんをシリアへ強制送還するという。
報道によると、コンタルさんはアラブ首長国連邦(UAE)で就労していたが、2017年1月にマレーシアへ追放された。
しかし3か月の観光ビザが切れて不法滞在となり、現在はブラックリストに名前が記載されているため、マレーシアに再入国できなくなったという。
コンタルさんはカンボジアへ飛んだが入国拒否され、3月7日にクアラルンプール空港へ送り返された。(c)AFP