【10月2日 AFP】フランスのエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領は9月30日、ハリケーン「イルマ(Irma)」が昨年直撃したカリブ海の島を視察した際に地元の青年らと撮った写真が物議を醸している件をめぐり、野党党首らからの批判を一蹴した。青年の一人が上半身裸で中指を立てているこの写真は、インターネット上で拡散していた。

 フランス領とオランダ領に分かれているサンマルタン(Saint Martin、オランダ名:シントマールテン、Sint Maarten)島でマクロン氏が黒人の地元青年2人と仲良くポーズを取っている写真について、極右政党「国民連合(RN)」(元「国民戦線」)のマリーヌ・ルペン(Marine Le Pen)党首は、「われわれの怒りを表現するのに適した言葉が見つからない」と批判した。

 これに対しマクロン氏は、「(昨年の)大統領選で勝利し、今その立場にいるのがルペン氏ではなく私なのは、私が共和国の子どもたち全員を、過去にどのような問題を抱えていたかにかかわらず、愛しているからだ」と反論した。

 マクロン氏は9月29日にハリケーンの被災地サンマルタン島を視察していた際、突然、写真に写っている青年の家に立ち寄ったが、この青年は強盗罪の刑期を終えたばかりだった。

 マクロン氏が青年に対し、「君のお母さんは、もっと幸せになっていいはずだ」と犯罪行為をやめるよう諭し、青年とその友人と一緒に肩を並べて記念撮影をしたところ、この友人男性は、カメラに向かって中指を立てた。

 批判を受けたマクロン氏は、2人を擁護するかのように、記念撮影の後、青年らは体の不自由な少女を自分に会わせるために抱きかかえて来てくれたと説明。そうしたことが実現したのも、「私が彼らを信頼し、敬意を払っていることを示したからだ。それがわれわれの共和国だ」と話した。(c)AFP