ロ政府、獄中ハンストのウクライナ人映画監督の写真公開
このニュースをシェア
【9月30日 AFP】ロシアの刑務当局は29日、テロ関連の罪状で禁錮20年の判決を受け、同国北部の刑務所に収監されているウクライナ人映画監督オレフ・センツォフ(Oleg Sentsov)氏(42)の写真を公開する異例の措置を取った。センツォフ氏はこの日まで139日にわたりハンガーストライキを行っている。
公開された写真には、医師から胸に聴診器を当てられるセンツォフ氏の姿が捉えられている。身長190cmの同氏は明らかに痩せ細り、かなり老けた様子。ロシア連邦刑執行庁(Federal Penitentiary Service)は28日、同氏は「追加検査と医療専門家の診察」のため、収監されている北極線上の町ラビトナンギ(Labytnangi)の公立病院に搬送されたと発表していた。
センツォフ氏は、ロシアによる2014年のクリミア(Crimea)半島併合の後に逮捕され、テロと武器の違法取引の罪でロシアの裁判所から禁錮20年の判決を言い渡された。その後、同氏はサッカーW杯ロシア大会(2018 World Cup)の開幕が迫った今年5月、同国政府に収監されているウクライナ人政治囚全員の釈放を求めてハンガーストライキを開始していた。
国際人権団体アムネスティ・インターナショナル(Amnesty International)はセンツォフ氏の裁判を「スターリン主義的だ」と非難。またウクライナ政府や欧州連合(EU)、米政府も裁判を批判してきた。
これまで先進7か国(G7)の大使らや、ハリウッド(Hollywood)、ロシア映画界の著名人らが同氏の釈放を求めてきたが、ロシア政府は要求に応じず、恩赦は受刑者本人のみが申請できると主張している。一方、センツォフ氏は恩赦を申請することを拒んでいる。(c)AFP