米上院委、最高裁人事を承認 性的暴行疑惑、FBIが調査へ
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【9月29日 AFP】(更新、写真追加)米上院司法委員会は28日、ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領によるブレット・カバノー(Brett Kavanaugh)最高裁判事候補(53)の指名を承認した。カバノー氏には性的暴行疑惑が持ち上がっており、トランプ大統領は同委員会の要請を受け、連邦捜査局(FBI)に対し同氏の追加経歴調査を指示した。
採決では共和党議員11人がカバノー氏を支持する一方、民主党議員10人全員が承認に反対し、所属政党によって立場がはっきりと分かれた。
保守派の同氏を最高裁判事とする人事は今後、上院本会議で採決される。同院では共和党が多数を占めるものの、保有議席数は共和党が51、民主党が49でその差はわずかだ。
採決の直前には、これまでトランプ氏を批判してきた共和党議員の一人で、再選を目指していないジェフ・フレーク(Jeff Flake)上院議員(アリゾナ州選出)が、カバノー氏の疑惑をFBIが調査できるよう1週間の猶予を設けるよう訴えた。
上院司法委員会は採決後、カバノー氏の疑惑に関する最長1週間の調査実施を大統領に要請。トランプ大統領は声明で、FBIに調査を指示したことを明らかにした。カバノー氏の人事については民主党議員らがかねて上院本会議での採決を1週間遅らせるよう訴えており、共和党側がこの要求に応じた形だ。
上院司法委員会ではこの前日、カバノー氏の性的暴行疑惑をめぐる公聴会が9時間余りかけて行われ、大学教授のクリスティン・ブレイジー・フォード(Christine Blasey Ford)さん(51)が36年前に同氏から被害を受けたと証言した。一方、カバノー氏も公聴会で、ブレイジー・フォードさんを襲った事実は一切ないと主張。民主党が自身の名声を失墜させようとしていると批判し、指名承認をめぐる争いは「国辱」だと非難した。
本会議の採決をめぐっては、フレーク議員のほか、共和党女性議員であるスーザン・コリンズ(Susan Collins)、リサ・マカウスキ(Lisa Murkowski)両氏の造反があるかが注目される。カバノー氏の指名承認が否決されるには、民主党議員全員が反対票を投じた上で、共和党議員2人の造反が必要となる。
委員会の採決に先立ち、カバノー氏の指名に反対する人々が議事堂に押し寄せたほか、最高裁の外でシュプレヒコールをあげ、同氏を支持すれば女性らに対し性犯罪被害を公表するなとのメッセージを送ることになると訴えた。(c)AFP/Michael Mathes