【9月28日 AFP】イングランドサッカー協会(FA)の理事会は27日、イングランド・プレミアリーグのフラム(Fulham)を所有するシャヒード・カーン(Shahid Khan)オーナーがウェンブリー・スタジアム(Wembley Stadium)を6億ポンド(約890億円)で買収しようとしている計画について、来月行われる評議会にかけることで合意した。

 英ロンドン北西部に位置するウェンブリーはイングランドにおけるサッカーの聖地であり、7億5700万ポンド(約1124億円)を投じた7年間にわたる改築工事の末、2007年にリニューアルされていた。

 しかしFAの上級理事は、米国の実業家で米ナショナル・フットボール・リーグ(NFL)のジャクソンビル・ジャガーズ(Jacksonville Jaguars)も所有するカーン氏にウェンブリーを売却することは、イングランドサッカー界に巨額の資金をもたらすだけでなく、スタジアムのホスピタリティ事業により将来的に3億ポンド(約445億円)の追加収入を手にすることができるかもしれないと考えている。

 カーン氏の買収計画は、10月11日に開かれるFAの評議会で審議されることになった。

 FAのスポークスマンは「サッカーコミュニティの施設拡充に6億ポンドを投じるという具体的な計画であるウェンブリーの売却案は、本日(27日)に行われた理事会で提示、協議された」とコメントしている。

 理事会が開かれる前、英国メディアはアマチュアサッカー界の代表者や他の草の根団体からの反対が今回の契約を破談にさせるかもしれないと伝えていた。

 しかし、理事会の承認は前向きなものであったものの、カーン氏の買収計画が実現に向けて動き出すには評議会で過半数の支持を得る必要がある。

 カーン氏の計画にはジャガーズの本拠地をウェンブリーにするという内容も含まれており、同スタジアムではここ数年、ジャガーズの試合を含めNFLの試合が何度も行われている。(c)AFP