ベトナムの「ゾウの毛」ビジネス、生息数減少に拍車か
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【9月26日 AFP】「ゾウの王国」として知られるベトナム中部のダクラク(Dak Lak)省の村では、幸運をもたらすものとしてゾウの毛を埋め込んだ指輪やブレスレットが売られている。同国ではゾウの生息数が激減しており、新たなビジネスが危機に追い打ちをかけている。
村で商品を売っていた女性は「偽物じゃないと分かってもらえるから、目の前で毛を切ってあげる」と語った。
だが、そのような行為がゾウに大きな負担をかけている。ゾウは密猟者によって毛をむしられるだけでなく、ハエを追い払ったり背中を清潔に保ったりするために使われる尻尾も切り取られるという。
動物愛護団体「アニマルズアジア(Animals Asia)」のディオンヌ・スラフテル(Dionne Slagter)氏はAFPに対し、「ゾウにとって尻尾は体の衛生状態を保つためにとても大事な部分で、毛をむしったり尻尾を切り取ったりする行為はゾウに障害を与えているようなもの」と語った。
ベトナムでは1990年に2000頭ほどいたゾウの数が、現在では飼育されている数が80頭、野生の生息数が100頭ほどにまで減少している。スラフテル氏によるとゾウの尻尾のほとんどは近隣の国やアフリカから密輸されているとみられるという。(c)AFP/Thanh Nguyen, Bao Uyen