■鉄道警察はどうして現場で強制措置をとれないのか?

 列車長の説得に乗客が応じない場合、列車内にいる警察官が強制措置を取ることができないのだろうか?

 広州鉄路局の担当者は、「現在、長距離列車だけに鉄道警察官が乗車しており、短距離列車には乗っていない。仮に、警察官がいたとしても、良い方法はない。強制的に乗客を移動させる過程で、乗客が激しく抵抗した場合、列車内の空間は狭く、ほかの乗客を傷つける危険性もある」という。

 鉄道警察官として長い経験のある趙さんは、車内の強制措置について感慨深い。「自分の20年余りの鉄道警察官の仕事の中で、人の席に勝手に座る行為は少なくなかった。大多数は、指摘し説得をすれば協力してくれる。言うことを聞かない人は少数だが、体に触れることはない。相手が地面に横たわって、『病気だ』と言われれば、こちらは手を出せない。できることは、席を取られた乗客のために座席を確保することぐらいだ」という。

■180日間の乗車制限の処罰は軽すぎる?

 一部のネットユーザーは、「覇座」の行為が後を絶たない原因は、処罰の程度が軽すぎ、懲戒・警告の効果が出ていないからだと考える。

 北京工業大学(Beijing University of Technology)都市交通学院の陳艶艶(Chen Yanyan)院長は、「覇座行為をする者に対し懲罰を与える際、同時に間違いを自ら正す機会も与えなければならない。200元の罰金と180日間の乗車制限で再び同じ間違いを犯さなくなれば、教育と戒めの作用を果たすことができたことになる」と言う。

「ただ、戒めを強めれば問題が無くなるか、と言うと、それも非現実的であり得ない。切符を買うということは、それぞれが法的権利を有するということだ。まず他人の権利を尊重する意識が求められる」と語った。(c)東方新報/AFPBB News