パーム油施設をオキュパイ、森林破壊に活動家らが抗議 インドネシア
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【9月26日 AFP】インドネシアのスラウェシ(Sulawesi)島で25日、環境保護団体グリーンピース(Greenpeace)の活動家らがパーム油の製油所の貯蔵タンクによじ登り、オキュパイ(占拠)した。製油所を所有する企業が森林破壊に関与していると抗議するもので、一緒に参加した地元ロックバンドはタンクの上でプロテスト・ソングを歌った。
「汚いパーム油の生産を今すぐやめろ」──。活動家らはそう書いた垂れ幕をタンクの上から掲げ、外壁に大きな文字で「汚染」と書いた上でバツ印を付けた。
パーム油はアブラヤシの果肉から採る植物油で、食用油となるほか、せっけんからビスケットまで多くの商品の原材料にも使われる。インドネシアは世界最大の輸出国となっている。
グリーンピースの発表によると、抗議活動を行った場所は世界最大のパーム油取引業者であるウィルマー・インターナショナル(Wilmar International、シンガポール)がスラウェシ島北部に持つ製油所の複数のタンクなど。外国人を含む活動家およそ30人とインドネシアの人気ロックバンド「ブーメラン(Boomerang)」のメンバーが参加し、パーム油生産のための農園開発によって広範囲で森林破壊が進んでいると訴えた。
グリーンピースはウィルマー社について、5年前に広大な熱帯雨林での伐採をやめると約束したにもかかわらず、いまだにインドネシアの森林破壊に関与していると非難している。
今回の抗議活動に参加した団体の一つは、パーム油を輸送するタンカーのいかりをつなげる鎖によじ登り、船が動けないように妨害したという。
ウィルマー社の取引先には、米日用品大手コルゲート(Colgate)、スイス食品大手ネスレ(Nestle)、欧州食品・日用品大手ユニリーバ(Unilever)などが名を連ねる。(c)AFP