【9月26日 AFP】英国の平均寿命(出生時の平均余命)の伸びが1982年以来初めて止まり、スコットランドとウェールズでは減少に転じた。英国家統計局(Office for National Statistics)が25日、明らかにした。

 この公式統計によると、スコットランドとウェールズの男女と北アイルランドの男性の平均寿命は、0.1歳短縮した。

 英国全体では、2015~17年生まれの女児の平均寿命は82.9歳で、2014~16年と変わらなかった。男児の平均寿命も同様に変わらず、79.2歳だった。

 2015~17年生まれの0歳児の平均寿命が最も短かったのはスコットランドで、男児が77.0歳、女児が81.1歳だった。

 高齢者福祉団体「インディペンデント・エイジ(Independent Age)」のジャネット・モリソン(Janet Morrison)最高責任者は、「この数字は、高齢化するわが国の人口に対応した医療サービスの必要性を浮き彫りにするものだ」と懸念を示した。

 マンチェスター大学(University of Manchester)のキングスリー・パーダム(Kingsley Purdam)上級講師は英BBC放送に対し、「貧困や緊縮政策、公共サービスへの歳出削減が、英国人の平均寿命に影響している」と指摘している。(c)AFP