【9月25日 AFP】国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は25日、南スーダンの医師エバン・アター・アダハ(Evan Atar Adaha)氏にナンセン難民賞(Nansen Refugee Award)を授与すると発表した。同国ブンジ(Bunj)にあるアター氏の医院は手術室の明かりもままならない中、隣国スーダンを逃れた14万4000人以上の避難民の対応に当たったという。

 UNHCRによると、レントゲン機器が壊れ、一般的な全身麻酔薬が定期的に届かない状況であるにもかかわらず、アター氏と医療チームはケタミンの注射を麻酔薬に代用するなどし、週に60件近い手術を行っている。

 UNHCRのフィリッポ・グランディ(Filippo Grandi)高等弁務官は、アター氏の「深い人間性と献身」が数千人の命を救ったと述べた。

 アター氏はスーダンの青ナイル(Blue Nile)州で病院を運営していたが、2011年にスーダン政府と反政府武装勢力との間で紛争が勃発し、病院の移転を余儀なくされた。

 ナンセン難民賞は毎年、難民支援に多大な貢献をした個人や団体に贈られている。(c)AFP