【9月25日 AFP】米国選抜と欧州選抜による男子ゴルフの対抗戦、第42回ライダーカップ(The 42nd Ryder Cup)では、米国選抜が欧州開催では25年ぶりとなる勝利を、欧州選抜は最近9大会で7度目のトロフィー獲得を一心に目指す。

 仏パリのル・ゴルフ・ナショナル(Le Golf National)で28日にティーオフとなる今大会では、史上初めて世界ランクのトップ10が勢ぞろいするほか、同28位までの選手のうち計21人がプレーすることになっている。特に12人のメンバーのうち11人が世界17位までの選手となっている米国選抜は、欧州のコースではイングランドのベルフライ・ブラバゾンコース(The Belfry Brabazon Course)で開催された1993年大会で勝ったのを最後に、四半世紀も抱え続けているフラストレーションを消し去りたいと考えている。

 米国選抜の主将を務めるジム・フューリック(Jim Furyk)は24日、報道陣に対して「チームには確かにそのことがいつも頭にある。それが特別なモチベーションになるかって?本当に特別なモチベーションが必要なのかは分からない」、「選手にとっては、とげとして突き刺さっているが」と述べた。

 メジャー通算14勝を誇るタイガー・ウッズ(Tiger Woods)は、米国選抜として7回出場して優勝を経験したのは一度のみとなっているほか、欧州開催の同大会には出場したことがない。また、フィル・ミケルソン(Phil Mickelson)も、これまで欧州でライダーカップを手にしたことは一度もない。

 フューリックは「それは彼らのキャリアに欠けているもの」としながらも、「特にチーム内で取り上げている話題ではないし、『25』という大きな数字が、あちらこちらでちらついているというわけではない。選手たちはそのことも、欧州で勝つ難しさも分かっている。われわれは今週その中で戦うことになる」という認識を示した。

 脊椎固定手術から復帰した世界13位のウッズは、23日に行われたフェデックス・カップ(FedEx Cup 2018)プレーオフ最終戦のザ・ツアー選手権(THE TOUR Championship 2018)で5年ぶりのツアー優勝を記録。大ギャラリーを引き連れながら、涙をこらえた42歳のスターが感動的な勝利を飾ったことは、米国選抜にとっても大きな弾みになる。

「チームにとって大きな後押しになるのは確実」と話したフューリックは、「この大会は必ずしも余計なエネルギーをもたらす必要はない。おそらくゴルフ界において最大かつ最上級の大会だ。しかし、そのこと(ウッズの優勝)がより一層、大会を盛り上げてくれるだろう」と述べた。

「今回の米国選抜はおそらく史上最強のチームであり、欧州選抜も上から下まで最強メンバーがそろったといっても過言ではないだろう」「われわれにとって厳しい週になるだろうが、戦いを楽しみにしている」

 トーマス・ビヨーン(Thomas Bjorn、デンマーク)が主将を務める欧州選抜は、フェデックス・カップの年間王者となり1000万ドル(約11億2900万円)のボーナスを手にしたジャスティン・ローズ(Justin Rose、イングランド)をはじめとするメンバーの半数が、米国選抜と同じく24日に現地入りした。

 ビヨーンは「ライダーカップで学んできたことの一つに、どれだけ疲れていようとも身をささげて全力を尽くすというのがある。試合をたくさんこなしていようとも、アドレナリンの最後の一滴まで絞るんだ」、「それがチームの一員としての役割であり、欧州にトロフィーを取り戻すための仕事だ。ライダーカップは通常の大会とは完全に別物だから、選手たちは本当にわくわくしている」と述べた。(c)AFP/Jim SLATER