【9月23日 AFP】アフリカのビクトリア湖(Lake Victoria)で20日起きたフェリー転覆事故の死者が大幅に増え、209人となった。タンザニアのイサック・カムウェルウェ(Isack Kamwelwe)運輸相が22日明らかにした。一方、救助隊は同日、生存者1人を救助した。

 同運輸相は公共テレビTBC 1が中継した記者会見で「残念ながら、現在までに合わせて209人が死亡した。うち172人はすでに親族によって身元が確認されている」と述べた。

 事故現場に近いウケレウェ(Ukerewe)島の議員はAFPに対し、転覆した「MV ニエレレ(MV Nyerere)号」の乗客のうち、41人の生存者が確認されていると説明した。国営メディアによると、同号の定員は100人だった。

 同号の運航を所管するタンザニア電気機械サービス庁(TEMESA)は、フェリーに何人の乗客がいたかは分からないとしている。

 生存者発見の望みが徐々に薄れるなか、救助隊は22日、機関士1人を救助した。前出の議員によると、機関士は船内の空気の残った場所を見つけ、その場にとどまっていたという。

 目撃者がAFPに語った話によると、フェリーは事故当時、ビクトリア湖のウカラ(Ukara)島にある波止場に近づいており、船から降りようとする乗客が片側に殺到したところで転覆した。また、操船が荒かったとして船長の責任を問う声も出ている。

 同号は、波止場まで50メートルの位置で転覆し、現在は湖面から老朽化した船体とプロペラだけが見える状態となっている。

 また国営テレビは、ウケレウェ島で200人を超える乗客が乗船したとの目撃証言を伝えている。20日は定期市の開催日で、過去の開催日には大量の人と商品が船に積まれることが多かった。事故当時、同号は乗客だけでなく、トウモロコシやバナナ、セメントも運んでいた。

 転覆の原因はまだ明らかになっていないが、同様の事故は重量超過が原因で起こることが多い。(c)AFP/Tristan MCCONNELL