【9月22日 AFP】(更新)メキシコ南部チアパス(Chiapas)州で、出勤するため自宅を出た記者が銃撃され死亡する事件があった。記者が所属する新聞社が21日、明らかにした。メキシコで今年、取材活動に関連して殺害されたとみられるジャーナリストは少なくとも9人となった。

 殺害されたのは現地紙エラルド・デ・チアパス(El Heraldo de Chiapas)のマリオ・ゴメス(Mario Gomez)記者(35)。同紙によると、チアパス州ヤハロン(Yajalon)で活動していたゴメス氏が仕事に向かうため家を出たところ、正体不明の男2人が同氏の腹部に連続して銃弾を浴びせ「冷酷に殺害した」という。ゴメス氏は病院に搬送されたが死亡した。

 ゴメス氏の同僚は匿名で、「彼は最近、脅迫を受けていると苦情を申し立てていた」とAFPに語った。表現の自由や知る権利を守る活動をしている人権団体「Article19」によると、ゴメス氏は2016年にも州当局者2人の汚職について記事を書いていた。メキシコで巨額の資金が動く麻薬取引、政府の汚職、そしてそれらの間の関係について調べるのは命懸けの仕事だ。

 同州の検察当局は「この非難されるべき犯罪を解明し、犯人に裁きを受けさせるためにあらゆる捜査を行う」と述べた。メキシコではジャーナリストに対する暴力が絶えず、国際ジャーナリスト組織「国境なき記者団(Reporters Without Borders)」は同国をシリアに次いで2番目に危険な国と位置付けている。(c)AFP/Gabriela Coutino