【9月21日 AFP】インドの航空会社ジェットエアウェイズ(Jet Airways)の旅客機内で20日、飛行中に客室の気圧が急激に下がり、乗客30人以上が耳や鼻から出血した。

 インドの航空当局者がPTI通信(Press Trust of India)に明らかにしたところによると、操縦士が客室の気圧維持装置のスイッチを入れ忘れたのが原因だという。

 同機は乗客166人を乗せてムンバイ(Mumbai)からジャイプール(Jaipur)に向かっていたが、客室の減圧を受けてムンバイに引き返した。乗客らは事件当時の機内について「パニック状態」だったと語っている。

 ジェットエアウェイズによると、出血した乗客はムンバイに引き返した後に治療を受けた。同社は代替便を手配し、スイッチを入れ忘れた操縦士を調査が終了するまで勤務から外した。

 乗客の一人はニュース専門局NDTVに対し、操縦士はムンバイに引き返すとアナウンスしただけで、事態について一切説明しなかったと明らかにした。

 この乗客は当時の状況について、「乗客はみんなパニック状態だった。後ろの方の席の人たちは酸素マスクを着けることができず、口や鼻から血を流し始めた」と語った。

 出血した乗客5人がムンバイの病院に救急搬送された。医師によると、耳が聞こえにくい状態となっており、回復には10日ほどかかるという。

 インドの他の航空会社と同様に財政難に苦しむジェットエアウェイズでは、恥ずべき事件が相次いでいる。1月には英ロンドン発ムンバイ行きの便で、男女の操縦士2人が操縦中に口論となり、一時、操縦室を飛び出してけんかをしたとして停職処分を受けた。(c)AFP