【9月24日 AFP】男子ゴルフ米国ツアーのフェデックス・カップ(FedEx Cup 2018)プレーオフ最終戦、ザ・ツアー選手権(THE TOUR Championship 2018)は23日、米ジョージア州アトランタのイーストレークGC(East Lake Golf Club)で最終日が行われ、タイガー・ウッズ(Tiger Woods、米国)が通算11アンダーで5年以上ぶりの優勝を飾り、2年近くに及んだブランクからの奇跡の復活シーズンを勝利で締めくくった。

 メジャー14勝の実績を持つ42歳は、最終日はスコアを1ストローク落としたものの、それでも2位に2打差をつけてキャリア80勝目を挙げた。ウッズは万歳のポーズで2013年に行われた世界ゴルフ選手権(World Golf Championships 2013)のブリヂストン・インビテーショナル(Bridgestone Invitational 2013)以来1876日ぶりの勝利を喜び、グリーンを取り囲んだ数千人のギャラリーも盛大に祝福した。

 ウッズは18番のフェアウエーを進んでいるときに感情があふれそうになったことを明かし、「最終ホールは泣きださないようにするので大変だった」とコメントした。

「『おい、まだOBの可能性だってあるぞ』と自分に言い聞かせていたが、グリーンをとらえたところで(キャディーの)ジョーイ(ジョー・ラカバ<Joe LaCava>氏)とハイタッチをした。決まったのが分かったからだ」

 一時は現役の続行すら危ぶまれたウッズだが、トップレベルへの本格復帰を果たしたシーズンの最後に、感動的な幕切れが待っていた。

 最終日について「とにかく粘り強く進めた。すべてがいとおしかったよ。戦いも、苦しさも、タフなコンディションもね」と話したウッズは、優勝についても「今年のはじめには厳しい目標だった。だけどシーズンが進む中で自分のスイングが見つかり、いろいろなものがかみ合ってきて、それでいけると思った」とコメントした。

 さらにウッズは、最後のパーパットの準備をしているときに「いきなり優勝の実感が湧いてきて、それで少し涙ぐんでしまった。苦しい時期を乗り越えて、優勝をつかめたのがとにかく信じられなかった」と明かしている。

「苦しかった。ここ数年は決して簡単ではなかった。復帰のための努力を重ねてきた。周りのみんなの助けがなければできないことだった」

「僕が苦しんでいたのを知っている選手もいる。18番グリーンで彼らの顔が見られたのは、本当に格別だった。自分がザ・ツアー選手権を優勝できたのが、ただただ信じられない」

 今季のウッズは、第100回全米プロゴルフ選手権(2018 PGA Championship)と第147回全英オープン(The 147th Open Championship)でトップ10入りを果たすなどして復調の兆しを見せていたが、今回の優勝で完全復活をアピールした形となった。

 ウッズと同組で回ったリオデジャネイロ五輪金メダリストのジャスティン・ローズ(Justin Rose、イングランド)は、スコアを3ストローク落としたが4位タイに食い込み、年間王者のタイトルを獲得した。

 ローズは「きょうはゆっくり死んでいくような感覚だった」と冷や汗をかいたことを明かしつつ、「今はタイガーを祝福したい。ゴルフ界全体が本当に誇らしく思っているし、タイガーのゴルフや、ゴルフというスポーツの今後にすごく興奮している」と話してウッズをたたえた。

 最終日にスコアを4ストローク伸ばしたビリー・ホーシェル(Billy Horschel、米国)が2位に入った。松山英樹(Hideki Matsuyama)はスコアを5ストローク伸ばし、4位タイで大会を終えている。(c)AFP/Bernie McGuire