豪、パプアニューギニアに軍基地設置を検討か 中国けん制で
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【9月20日 AFP】オーストラリアの全国紙オーストラリアン(The Australian)は19日、豪政府がパプアニューギニアに新たな海軍基地の設置を検討していると報じた。太平洋諸国に影響力を強める中国をけん制する動きとみられている。
報道によると、豪政府は今年11月にパプアニューギニアの首都ポートモレスビー(Port Moresby)で開催されるアジア太平洋経済協力会議(APEC)の首脳会議を前に、パプアニューギニアのマヌス島(Manus Island)に共同施設を設置するための合意を目指しているという。
また同紙は、今年7月にパプアニューギニアのピーター・オニール(Peter O'Neill)首相が豪ブリスベン(Brisbane)を訪れた後、豪国防当局者らがマヌス島にあるロンブラム海軍基地(Lombrum Naval Base)を視察し、整備が可能かどうか検討したと報じた。
スコット・モリソン(Scott Morrison)豪首相は「太平洋はわが国の戦略的な安全保障上の国益において極めて優先度が高い地域」と認め、報道内容については否定しなかったものの、「国家安全保障に関する臆測についてコメントするつもりはない」と述べるにとどめた。
海域への出入り口となる太平洋諸国はアジアにとって戦略上重要な地域と考えられているが、中国政府は近年、巨額のインフラ融資を通して同地域に影響力を強めている。
豪政府は軍事同盟を通して太平洋海域において米政府と協力関係にあり、中国の同海域への影響力に対抗する必要性があると懸念を示している。(c)AFP