マヤ文明の覇権争い刻んだ祭壇、ラ・コロナ遺跡で発見 グアテマラ
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【9月18日 AFP】グアテマラ北部ラ・コロナ(La Corona)遺跡でこのほど、1500年前のマヤ文明の祭壇が発見された。祭壇の碑文には、カーヌル王国(Kaanul dynasty)が都市全体を支配下に置くことを狙った政治的戦略が刻まれている。その様子は、ファンタジー小説を原作とした米ドラマシリーズ「ゲーム・オブ・スローンズ(Game of Thrones)」で繰り広げられる覇権争いのようだという。
石灰岩に彫刻された祭壇の重さは約1トン。発掘の共同責任者を務めるトマス・バリエントス(Tomas Barrientos)氏が報道陣に語ったところによると、メキシコとベリーズの国境付近のジャングルの中にあるラ・コロナ遺跡で発見されたという。
バリエントス氏は、祭壇は神殿の中から発見され、ラ・コロナを支配していたチャック・トック・イチャーク(Chak Took Ich'aak)王が「杖を持って座り、その杖からラ・コロナの守護神2体が出てきている」様子を示していると説明した。
研究の結果、高さ1.46メートル、幅1.2メートルの祭壇の碑文には、「544年5月12日」に相当するマヤ象形文字が刻まれている。また、碑文から、チャック・トック・イチャーク王がその約20年後、レ・コロナ近郊の都市エル・ペルー・ワカ(El Peru-Waka)も支配したことが読み取れるという。
バリエントス氏は、この祭壇は、蛇の王国として知られるカーヌル王国がラ・コロナで大々的な政治活動を行い、562年に「最大のライバル」だったティカル(Tikal)を倒し、その後メソアメリカ東南部マヤ低地を2世紀にわたり支配下に置いたことを示している、と述べた。(c)AFP/ Henry MORALES ARANA