米最高裁判事指名のカバノー氏、「性的暴行」被害者が公然と非難
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【9月17日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領が連邦最高裁判事に指名したブレット・カバノー(Brett Kavanaugh)氏(53)から、1980年代に性的暴行を受けたと主張する大学教授の女性(51)が、16日に米紙ワシントン・ポスト(Washington Post)に掲載されたインタビューでカバノー氏を初めて公然と非難した。これを受けて野党からは、カバノー氏の指名承認投票の延期を求める声が上がっている。
カリフォルニア州パロアルト大学(Palo Alto University)のクリスティン・ブレイジー・フォード(Christine Blasey Ford)教授は、この過去の被害の詳細を書簡にまとめ、まず同州選出の女性下院議員に、次いで上院司法委員会に所属するダイアン・ファインスタイン(Dianne Feinstein)議員に秘密の情報と断って送付していた。
しかし先週米メディアが、疑惑の大筋を暴露。これを受けて民主党員であるフォード氏は、「苦悩と報復への恐怖」よりも、「市民としての責任を優先させるべきだ」と感じたとして、自ら公表に踏み切る決心をしたと明かしている。
カバノー氏は14日、疑惑を否定する声明を発表。「私は断固、全面的にこの容疑を否定する。高校時代、あるいはいつ何時にさかのぼっても、私はこんなことはしていない」と断言した。
ワシントン・ポストの取材に対しフォード氏は、1980年代初めのある夏に、首都ワシントン近郊の個人宅で開かれたパーティーで「足がもつれるほど酒に酔った」カバノー氏とその友人1人によって、寝室に囲い込まれたと振り返った。
カバノー氏はフォード氏の体を触り、着衣を無理やり脱がせようとした。助けを求めて叫ぼうとすると口を手でふさがれ、カバノー氏に「勢いで殺されるかもしれない」と思ったという。最終的には何とか逃げ出すことができた。
フォード氏はこの体験を、長い間胸に秘めていた。初めて口外したのは、2012年に夫と共に受けたカウンセリングの場で、セラピー開始から1年後のカルテには、「レイプ未遂」との表現が書き残されているという。
書簡を受け取ったファインスタイン上院議員は16日、「当初からこの訴えは非常に深刻なものであり、カバノー判事の気質を如実に表すものだと思った」と指摘。
ファインスタイン議員はフォード氏の公表の決断を支持すると述べ、問題は捜査を行う連邦捜査局(FBI)の手に委ねられるとしながらも、捜査は「上院が指名承認へと動く前に行われるべきだ」との見方を示した。(c)AFP